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通りをひろげれば、街は死ぬ [おいしい帯広]

帯広といえば、
豚丼ぱんちょうが有名で、
わたくしも一度だけ寄ったことがある。
うちの母親は料理については研究熱心で、
自家製の豚丼をそれまでにけっこう食していた。

で、
ぱんちょうの肉のほうが大きさなら勝負あり。
だが、
味についてはそんしょくはなかった。
母親は、
つまり、
ぱんちょうの味を研究していたのかもしれない。

そこから50㍍ほどに帯広インデアンカレー、
ふじもり食堂があった。
いまはふじもり食堂だけになっちまったのかもしれない。

高架線事業で帯広の街も一変した。
こじんまりとしてしまい、
往時のにぎやかさはきえてしまった。
鉄路でさえぎられた北側のにぎわいが高架線の開通により、
南側にながれたこともあろう。

通りをひろげると、街は死ぬ。
平原通りに、
いにしえの面影はすでにない。

ふりかえれば、
わがまちも、
通りをいじったがゆえに、
死んでしまったようである。





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