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職業に貴賎なし [ことば]

高等学校のとき同級生に治部袋君がいた。
一年生のころである。

倫理社会の授業であった。
格言についての作文があった。

治部袋君はそこで、職業に貴賎なし、を論じた。
どういう内容であったかはわすれてしまった。
ただ、すぐれた随筆であったことはたしかであった。
わたくしがなにについて述べたか不明である。
にもかかわらず治部袋(じんば)君の印象ははっきりとおぼえている。
さわやかな文章であった。
としをへて、職業に貴賎をもちたくないし、もたれたくない、ということであったとおもう。

職業に貴賤などない。
ただ、貴賤の感情をもちたがる、ひと、ひとひとがほとんどだということか。

治部袋君にもういちど読んでもらいたいナ。





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