字の個人史、または、くせ字の変遷 [ことば]
字の個人史、または、くせ字の変遷
いわゆるワープロ、ワードプロセッサーの出現いらい、
字を書かなくなった。
けれど、出先では書面での署名をなんべんももとめられた。
なまえだけはいくたびも書かざるをえないようである。
書くたび、そのつたなさに落胆する。
おさないころの字をみたことがあるだろうか。
わたくしのは、くせ字というやつで、
いまもってくせ字であることにかわりない。
で、書いた字をかえりみてみた。
書く字にちがいがあった。
字にたいするこだわりをおもいだした。
いまでもそれはある。
糸偏の省略のしかた。
大きな字をこころがけているが、
そのころは糸偏のかどがしなやかな曲線であった。
紀貫之のかな文字がすきで、
いろはにほへとを草書体で書いてみた。
筆ペンが登場したころ、チラシのうらをまっ黒に、
なんべんもなんべんもまねて書いたものである。
あるとき、
雲古、
下痢、
便秘、
などという文字を楷書で書いては失笑をかった。
いわゆるワープロ、ワードプロセッサーの出現いらい、
字を書かなくなった。
けれど、出先では書面での署名をなんべんももとめられた。
なまえだけはいくたびも書かざるをえないようである。
書くたび、そのつたなさに落胆する。
おさないころの字をみたことがあるだろうか。
わたくしのは、くせ字というやつで、
いまもってくせ字であることにかわりない。
で、書いた字をかえりみてみた。
書く字にちがいがあった。
字にたいするこだわりをおもいだした。
いまでもそれはある。
糸偏の省略のしかた。
大きな字をこころがけているが、
そのころは糸偏のかどがしなやかな曲線であった。
紀貫之のかな文字がすきで、
いろはにほへとを草書体で書いてみた。
筆ペンが登場したころ、チラシのうらをまっ黒に、
なんべんもなんべんもまねて書いたものである。
あるとき、
雲古、
下痢、
便秘、
などという文字を楷書で書いては失笑をかった。